アールがシンクレアのクラブに入って来てカウンター席に座り、ウィスキーを注文してバーテンにメナーの使いだと言います。バーテンが“用件は”と聞くと、アールは“下っ端には話せない”と言います。バーテンは電話を掛けてから、廊下の奥の部屋に行くように言います。厨房ではコックが肉切り包丁を振り下ろしながら、肉を切っています。アールの後ろに付いてきたバーテンがドアを開けます。アールが部屋の中に入ると、バーテンはアールの後ろに立っています。シンクレアが“誰だ?”と言うと、アールは“メナーの使いだ”と言い“殺し屋がミスった”と言います。メナーは“マクリンは油断ならないやつだな”言い“俺はメナーに頼まれて殺し屋を送っただけだ”言います。シンクレアは葉巻を吸い乍ら“マクリンだな”いうと、アールは“そうだ”と言います。後ろに立っていたバーテンが殴りかかってきたのを振り向きながら掴んで投げ飛ばします。バーテンの身体がシンクレアにぶつかり、二人は床に倒れこみます。厨房にいたコックが包丁を持って動こうとすると、銃を構えたコディが現われて“動くな”と言います。シンクレアに銃を向けたアールが“金庫は”と聞くと、“ない、キャビンだ”と言います。アールはキャビンから金を取り出してコートのポケットに入れ、二人に腕立て伏せをするように言って部屋から出て行きます。
厨房でコディと合流しますが、コックがコディに包丁を投げつけたのでアールが銃を撃って威嚇して表に出ます。アールが手下の一人を撃ち殺すと、二人の手下が銃を撃ってきます。それを見たベットが車で手下の二人をはねて、アールとコディを車に乗せて逃げ去ります。
アールとコディは車で、3年前に兄のエディが車を購入したケミーの家に着きます。外に立って行っている女に、”ケミーは“と声を掛けます。女は”誰“と言うので、”マクリン“と答えます。女は傍にいる男にケミーを呼んでくるように言います。ドアが開いて男が出て来て、”マクリンか“と言うので、アールは兄貴をだせと言います。男は自分がケミーだと言って、知らない人とは話さないので買えるように言います。二人が帰ろうとすると、”待ってくれ“とライフルを持ったケミーが出て来て声を掛けてきます。アールが3年前に兄貴がグリーンのダッジを購入し、アールとコディの3人でウィチタの銀行を襲った話をします。ケミーが”エディは”と聞くので、アールは“死んだ”と答えます。ケミーは弟のバック・チャニーに“酒を持って来い”と言って、ガレージに歩いて行きます。アールは頑丈で前科無しの車が欲しいと言い、下取りも頼みます。3人で酒を飲みながら、ケミーが街にダッジの売り物があると言うので後で見に行く事になります。ケミーはプルムスのエンジンを搭載した改造中のフォルクス・ワーゲンの自慢話をします。車は何時いるかアールに聞くと、直ぐいるというので車を買いに出掛けます。
コディは残って椅子に座っていると、バックの妻がシャワーを浴びてバスロープ姿でコディに家に入るように言います。(何とも艶めかしい姿で、そそられます。)コディが断ると、怒って家の中に入ってきます。やがてアールたちが車を手に入れて帰って来ると、バックの妻が着替えて家から出て来ます。そしてバックに話があると言い、コディが自分を犯そうとしたと言います。勿論コディは否定して、誘いを断っただけだと言います。亭主のバックは逆上してタイヤレンチを手にしてコディに向かって行きます。アールが二人の間に入った時、バックの妻は犬を嗾けます。犬はコディの腕に噛み付きコディが倒れますが、ケミーは斧で犬を殺します。続いてバックがレンチで殴ろうとしますが、アールが投げ飛ばしてから殴りつけてバックを倒します。二人はケミーに銃を向け、追って来ないように言ってその場を去ります。
画面が変わって車での夜間移動中、コディが“アールに北部へ行ったかと聞くと、アールは子供の頃に行ったと答えます。コディが冬に2メートルの雪が積もるベレスク・イルに店を持っていると言い、近くに基地があるからハムエッグが沢山売れたと言います。一生住んでもいい所だと言うと、アールがいつか行くよと言います。コディは銀行を襲った時は平気だったが、今回は胸騒ぎがして仕方ないと言います。アールはコディに”戻る所があって良い“と言うと、コディが”生活を変えるといいんだ、運は長くは行かない“と言います。後部座席で横になって二人の会話を聞いていたベットの顔がアップで映し出されます。
画面が変わって、郵便配達員に変装したコディが4階のケニル金融会社に向かいます。事務所に入って電話交換手の女性にウィルソンさんに手紙だと言いますが、電話交換手は知らないと言います。コディは宛名を見てくれと言って、近づく電話交換手の顔面に一撃を喰らわして倒します。作業服姿のアールが中に入って来て、キャビネットの鍵を探しますがありません。コディは鞄から分解してあったショットガンを手早く組み立てて、二人で奥の事務所に踏み込みます。(フリン監督は時々俯瞰と言うよりは、真上から撮ったシーンを挿入します。)事務所にいた二人に銃を向けて後ろを向かせて、金庫室の場所を聞きます。二人に金庫室まで案内させ、金属製のドアを中から開けさせて銃を向けて入ります。全員手を挙げた状態にして、金庫の傍にいる男に金庫を開けるように言います。男は“暗号を知らない”と言うので、アールは男に立って靴を脱げと言います。断る毎に足の指を1本づつ撃つと言ってもしらを切るので、近くにいた男に靴を脱がせるように言います。金庫番の男は観念して金庫を開けます。金庫に入っていた紙幣を全て鞄に入れて、500まで数えるように言ってその場を去ります。部屋から出るまでのコディの動きは、元軍人の動きです。二人は分かれて悠々と出て行きます。
画面が変わって、車が3台連なって走ってきて、競走馬のセリ市場の駐車場で停まります。ボスのメイラーと妻が車から降り、子分たちが後に続きます。子分の一人にフォットボールの途中経過を知らせるように言い、席につきます。遠く離れた所にアールとコディがメイラーの左右に立っています。メイラーは妻に車に戻るように言って立ち上がって、手下に動かないように指示をして会場の外れまで歩き出します。アールも歩き出してメイラーと合流し、コディは遠く離れた位置から歩き出します。メイラーは妻を巻き込みたくないので、25万ドルを払うと言います。アールは100ドル以下の古い小額紙幣で用意するように言い、受け渡し場所は教会を指定します。メイラーは“もう俺に近付くな”と言いますが、アールはそれに答えずに去って行きます。
教会の中はホームレスらしき人が大勢いて、合唱しています。メイラーの手下が鞄を持って現れ、2階の厨房の調理台に鞄を置いて走り去ります。鞄を開けてみると中身は新聞紙でした。罠だと気が付いたアールは、火災報知機を鳴らして逃げ出します。階段を上がってくる殺し屋たちを銃で撃ち、教会の中は大勢の人間が逃げ惑う人たちで大混乱になります。二人はその人ごみに紛れて、その場から逃げ去ります。メイラーの元に部下から連絡が入り、又逃がした事で激怒して“殺せ”と命令します。
画面が変わって、トイレに男が入って来て手を洗います。トイレの個室からアールが出て来て、男に声を掛けます。別の個室からコディが銃を構えて出て来て、男に銃を突き付けて“鍵は”と言います。アールが男の上着を点検して出るように言います。賭博場の事務所に入り、奥の金庫室に入ります。中の3人に銃を向けて、“静かに出たい”と言って金庫を開けさせます。鞄を渡して、金を全部入れるように言います。その鞄を金庫番に持たせて、賭博場を通って出て行きます。金庫番を駐車している車に乗るように言って、シートに座ると同時に一撃加えて気絶させて、二人は車で走り去ります。メイラーは自宅で手下から報告を聞き、もう自宅に電話をしないように言います。メナーに電話を掛けて“俺の電話番号を教えたな”と言い、“この次は殺すぞ”言います。手下を総動員して、二人を探せと命令し、長くは待てないぞと言って電話を切ります。
次回に続きます。最後までお付き合い頂きまして、有難う御座いました。
『組織』 作品データ
1973年製作 105分 アメリカ
原題:THE OUTFIT
監督:ジョン・フリン
製作:カーター・デ・ヘイヴン
原作:リチャード・スターク
脚本:リチャード・スターク
撮影:ブルース・サーティース
編集:ラルフ・E・ウィンタース
音楽:ジェリー・フォールディング
出演:ロバート・デュパル (アール・マクリン)
カレン・ブラック (ベット・ハーロウ)
ジョン・ドン・ベイカー (ジャック・コディ)
ロバート・ライアン (アーサー・メイラー)
ティモシー・ケリー (ジェイク・メナー)
リチャード・ジャッケル (ケミー・チャーニー)
シェリー・ノース (バックの妻)
ビル・マッキーニー (バック・チャニー)
ジェーン・グリア (アルマ・マクリン)