Vol.29 『ジャッカルの日』の続きの続き

『ジャッカルの日』のトップはこちら

 ジャッカルはローマでレンタ・カーの白いアルファ・ロメオ・スパイダーに乗り、貸ガレージで車体の下に潜り込んで車に細工をして特製の銃を隠します。英国特捜部から連絡を受けたリベル警視は、ポール・ダンカンの行方を捜査し始めます。

車体の下から部品を外すジャッカル(左)
部品に銃を隠すジャッカル(右)

  その頃ジャッカルは車で国境を越え、まんまとフランスに入国します。移動途中OASに電話連絡をした時に、ウォーレンの自白により名前を知られた事を知ります。徐々に捜査の手は、ジャッカルに迫りつつあります。ジャッカルは、ニースのホテルでロビーにいたモンペリオ夫人に近づき一夜を共にします。

国境で手荷物検査を受けるジャッカル(左)
モンペリオ夫人と語り合うジャッカル(右)

 ルベル警視はポール・ダンカンがニースのホテルに泊まった事を知り、ニースに飛んでジャッカル逮捕に向かいますが、一足違いで逃げられます。ホテルの従業員からの供述からジャッカルと一夜を共にしたモンペリオ夫人の家へヘリコプターで急行します。

ホテル従業員から証言を得るルベル警視(左)
モンペリオ夫人とルベル警視(右)

 その頃ジャッカルは、OASとの電話でフランス当局に車も割り出された事を知ります。早速ナンバー・プレートを盗み、車を青色に塗り替えます。その時、ルベル警視が乗るヘリコプターが飛んで行きます。ジャッカルは、車体の下に隠した銃を取り出し、モンペリオ夫人の家に向かいます。

車体を青に塗り替えるジャッカル(左)
車体の下に隠した銃を取り出す(右)

 途中交通事故を起こし、彼の車は大破します。相手の車は動く状態で、運転していた男は死亡していたのでその車で夫人の家に向かいます。ルベル警視が来た事で困惑している夫人を再び誘惑して一夜を共にします。翌朝、逃げているなら匿うと言う夫人にキスをしながら、ジャッカルは首を絞めて殺害します。任務遂行の為、何の躊躇も無く人を殺すジャッカルを、無表情で演じているエドワード・フォックスが良いですね。そして、カバンに隠してあったパスポートを取り出し、髪を栗色に染めてデンマーク人教師のペーア・ルントクビストに変装します。ジャッカルは夫人の車を盗んで駅に向かい、電車に乗ってパリに向かいます。

ジャッカルが突然訪問して困惑するモンペリオ夫人(左)
変装するジャッカル(右)

 その頃ルベル警視はモンペリオ夫人の殺害を知り、夫人の車の発見から電車でパリに着くと判断しパリ駅に向かいます。既にジャッカルは、反対車線を走るパトカーを眺めながらタクシーでサウナに向かっていました。サウナで知り合ったジュールの誘いで彼の部屋に行きます。

電車でパリに向かうジャッカル(左)
サウナでジュールと知り合いになる(右)

 ルベル警視はOASの女スパイを突き止め、会議の席上で情報がこの会議の出席者から漏れていた事を伝えます。女スパイに騙され情報を漏らした役人はその場から退席します。この場面での最後のオチが良いですね。その役人の部屋で女スパイを逮捕した時、既にその役人は自殺していました。

内部から情報が漏れていた事を伝えるルベル警視(左)
自分だと悟って立ち上がる役員(右)

 その後の会議でルベル警視は、暗殺実行日は3日後の解放記念日8月25日だと予測します。その発言に内務大臣は納得し、ルベル警視無しでも逮捕出来ると思い彼を解任します。内務大臣はモンペリオ夫人殺害の犯人として、ペーア・ルントクビストを全国に指名手配して大々的にテレビに流します。買い物に出掛けたジュールは、街角のテレビでジャッカルの顔を観て帰宅後にその話をします。部屋のテレビで殺人犯の報道している時に、ジュールは彼が殺人犯だと気が付きますが、時既に遅く呆気なく殺されてしまいます。

内務大臣はルベル警視を解任します(左)
街角で観たテレビにジャッカルが出ていた事を伝えるジュール(右)

 10万人を動員したにも関わらず、内務大臣の予想は大きく外れ無駄に2日間が過ぎ、解放記念日にルベル警視は再任されて任務に復帰します。式典が行われるノートルダム寺院前の広場は、警官によって厳重な警戒網が張られます。屋根には狙撃手が大勢配置され、不審者は直ぐ逮捕出来る状態になっています。ルベル警視は式典会場を見回り不審者探しをします。しかし、殆ど絶望的で成す術も無い状態です。式典の映像は実際の映像を使っているようです。

式典会場を見回るルベル警視(左)  いよいよ式典が始まります(右)

 そんな中、両手で松葉杖を使いながら警官に歩み寄る片足の老人が現れます。変装したジャッカルは警官に身分証を見せながら、以前下見したアパートを自宅だと言ってアパートに向かいます。

松葉杖で歩いてくる片足の老人(左)
警官の検問を受ける変装したジャッカル(右)

 管理人室で管理人のおばさんに水を所望します。管理人は笑顔で答えて快く水道の水をコップに入れている後ろから、ジャッカルは一撃を喰らわして管理人を倒し、折り曲げて吊り下げていた左足を伸ばします。

ジャッカルの申し出に笑顔で答える管理人(左)
吊っていた足を下すジャッカル(右)

 最上階へと階段を駆け登り、部屋に入って窓から外の様子を伺います。銃を組み立てて暗殺の準備をし、式典が始まるのを待ちます。やがて式典が始まりスコープを覗いて銃を構えてチャンスを待つジャッカル。

窓から外を見るジャッカル(左) 【屋根の上や屋上に待機する警官(右)
銃を組み立てて椅子の上に置く(左) 炸裂弾を装填するジャッカル(右)

 一方。ルベル警視は一人の警官から何か情報を得て、ジャッカルが潜む最上階の部屋に向かいます。

狙撃場所を特定するルベル警視(左
 窓から狙いをつけるジャッカル(右)

 ジャッカルは大統領を狙って銃を撃ちますが、大統領が頭を下げた為に外してしまいます。次の弾を銃に装填している時に機関銃を持った警官が入って来た為、銃で射殺します。

照準を合わせて撃つが、弾は外れる

 次の弾を込めようとした時に、ルベル警視は警官の機関銃を手に取ってジャッカルを射殺します。その後、ジャッカルの埋葬シーンがあって、太鼓の音共に映画は終わります。

次の弾を装填するジャッカル(左)
その前に機関銃でジャッカルを撃つルベル警視(右)

 この映画はドキュメンタリー・タッチで描かれ、作り話が真実にも思われるようなものです。正に、映画は嘘を本当の様に見せる素晴らしい芸術です。最後までお付き合い頂きまして、有難う御座いました。

『ジャッカルの日』 作品データ

イギリス・フランス 1973年 カラー 142分
原題:The Day of the Jackal

監督:フレッド・ジンネマン

製作:ジョン・ウルフ

原作:フレデリック・フォーサイス

脚本:ケネス・ロス

撮影:ジャン・トウニエ

編集:ラルフ・ケンプレン

音楽:ジョルジョ・ドルリュー  

出演:エドワード・フォックス、アラン・バデル 

   トニー・ブリットン、シリル・キューザック

   マイケル・ロンズデール、エリック・ポーター

   デルフィーヌ・セイリング、オルガ・ジョルジュ=ピコ

   デレク・ジャコピ、スキージャン・マルタン

   ミシェル・オークレール、モーリス・デ