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ぺピは社長の奥さんにヴァンダスと浮気している事を、社長が知った事をぺピお得意の口調で話して電話を切ります。クラリックはヴァダスを事務所に呼び、クビを言い渡します。色々反論するヴァダスをクラリックは突き飛ばし、用意していた給料を渡した時にペピがヴァダスのコートを持ってきて、ヴァダスが受け取ろうとした瞬間床に落とします。(非常に良いテンポで展開され、スカッとする場面です。それにしてもヴァダス役のジョゼフ・シルドクラウトは演技が上手い役者さんで、憎たらしさは満点です。)
場面は変わって郵便局の私書箱の裏側が映り、237号の棚の中を探し回る手があり、何も無いのを確認するクララの顔が映し出されます。クララは店に出勤し、事務所に入ります。中にクラリックがいたので驚きますが、社長のマトチェックに会いたいと言います。クラリックが社長は不在で自分は主任だと言いますが、クララは具合が悪いから冗談は止めてくれと言います。そこに取引先から電話が来てクラリックが対応するのを見て、状況を把握しますがその場に倒れ込んでしまいます。
クラリックは閉店後、クララを見舞いに行きます。病気の具合を尋ねると、「恋煩い」だと分かります。そこに同居しているお婆さんが手紙を持って来ると、クララは一気に元気になります。彼女は手紙を読み、彼へのクリスマス・プレゼントは「オルゴール付き煙草入れ」にすると言い出します。クラリックは「財布」を勧めますが、彼女は考えを変えません。(この場面のクララ役のマーガレット・サラヴァンの演技が素晴らしいです。)
翌日のクリスマス・イヴ、店の前で配達の準備をしているルディに、ペピが指示を出します。(未成年のくせに貫禄充分なペピです。)クラリックは従業員に社長への最高のクリスマス・プレゼントを贈ろうと言い、店の商品を全て売り尽くそうと檄を飛ばします。商品の準備しているクララにピロビッチが話しかけ、恋人へのプレゼントを「オルゴール付き煙草入れ」から「財布」に変えさせます。店は大繁盛で商品は売れ捲ってます。そこに病院を抜け出した社長が現れます。
閉店後に売り上げを確認すると、店始まって以来の新記録に社長は上機嫌です。皆にボーナスを渡し、帰り支度をしながら従業員の誰かと食事をしようと思いますが、皆予定があり思うようになりません。そこに入ったばかりのルディが現れ、彼が一人でイヴを過ごす事が分かり、喜び勇んで彼を連れてレストランに向かいます。
更衣室でクララが「財布」を箱詰めしている処にクラリックが現れ、彼が恋人に贈る「ダイヤ付きのペンダント」を見せてクララに着けて貰います。この場面での二人のやり取りは面白くて、クラリックがちょっと狡い駆け引きをして彼女の幻想の恋人を諦めさせます。そこでクラリックは、手紙の相手は自分だと打ち明けます。本当はクララも彼が好きだった事を伝え、見事にハッピー・エンドとなります。 最後までお付き合い頂きまして、有難う御座いました。
『桃色の店』 作品データ
1940年製作 アメリカ モノクロ 99分
原題:The Shop Around the Corner
監督:エルンスト・ルビッチ
製作:エルンスト・ルビッチ
脚本:サムソン・ラファエルソン
原作戯曲:ニコラス・ラズロ
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:ウェルナー・R・ハイマン
出演:マーガレット・サラヴァン、ジェームズ・スチュアート
フランク・モーガン、ジョゼフ・シルドクラウト
フェリックス・ブレザート、サラ・ヘイドン
ウィリアム・トレーシー、イネズ・コートニー
サラ・エドワーズ、エドウィン・マクスウェル
チャ-ルズ・ハルトン、チャールズ・スミス